相続手続きがスピーディーになる方法~法定相続情報証明制度~

相続手続きというと、 不動産の名義変更、預貯金の解約、保険の解約や請求など、いろいろとしなければいけないことがあります。

相続人が1人しかいない場合でも、手続きは結構面倒だと思っていませんか。

そんなやっかいな手続きを楽にして、さらにスピーディーにしてくれる方法があります。

1.相続手続きに必ず必要なもの

どんな種類の相続手続きであっても、必ず必要となるのは、相続関係を証明する戸籍謄本一式です。これは、相続人の人数や、誰が相続人になるかによって、数は異なってきます。
多い時は、10通以上になることもあります。

相続手続きの際には、銀行などから、この戸籍謄本の原本の提出が求められます。

金融機関によっては、その場で写しをとって返却してくれるところから、しばらく預けた上で、手続き終了後返却されるところまで様々です。

戸籍謄本のうち、除籍謄本は1通750円もかかりますので、普通は、1通ずつ取ります。手元には1セットしかなく、様々な銀行に遺産がある場合、一度に提出する、ということができません。

そのため、1カ所ずつ提出することになります。

A銀行に提出、相続手続き終了後、B信金に提出、そうやって順に手続きしていくことになります。

もちろん、その分、相続手続きの時間がかかってしまいます。

2.法務局の法定相続情報証明制度とは?

戸籍謄本は本籍地の役所で取得しますが、取得した戸籍謄本一式を集め、法定相続情報一覧を作成して法務局に提出すると、法務局が法定相続情報について証明してくれる制度です。

これは、法務局が、法定相続人について戸籍の確認を行って、証明しましたというものです。

法務局には管轄があり、下記4つのいずれかにあてはまる法務局に提出して証明してもらいます。

(1)被相続人の本籍地(死亡時の本籍を指します。)
(2)被相続人の最後の住所地
(3)申出人の住所地
(4)被相続人名義の不動産の所在地

この証明は、相続手続きに使用することができ、各金融機関だけでなく、不動産の相続登記の際にも利用することができます。

また、この制度は、相続人本人以外に、行政書士などの士業に依頼して代わりに申請してもらうことも可能です。

3.法定相続情報証明制度のメリット

相続手続きにおいて、戸籍謄本の原本を提出する代わりに利用できます。大切な原本は手元に置いておくことができます。

法定相続情報一覧図の写し(証明書)は、同じものを何通も取得することが可能なため、A銀行、B信金と一度に提出することが可能になります。一度に提出ができることで、1カ所ずつ手続き終了を待つ必要がなくなります。

複数の金融機関でも同時に手続きが進行できるため、スピーディーに行うことができます。

さらに、この制度は、申請して1~2日以内には証明書の受取可能なため、非常に便利な制度です。

4.法定相続情報証明制度のデメリット

相続手続きを手軽にスピーディーにしてくれる法務局の法定相続情報証明制度ですが、少し手間な部分もあります。

戸籍謄本に加え、自ら一覧図を作成しなければならず、慣れていない人の場合であれば、作る作業は大変かもしれません。

また、書類を作成し、自ら申請に行き、受取を行わなければならないため、その分の手間がかかります。

ただし、行政書士などの士業に依頼することによって、その手間は省くことは可能です。

5.まとめ

不動産さんや複数の金融機関に遺産がある場合、手続き先の件数が多ければ多いほど、手続きは大変になります。そのひとつひとつで、相続人であることの証明が求められ、何度も戸籍謄本一式をやりとりしなければなりません。

そんな面倒を少しでも楽にスピーディーにしてくれるのが、法定相続情報証明制度です。便利な制度ですので、利用してみてください。

相続手続きがどうしても難しいと思われたときには、専門家への依頼をオススメします。

法定相続情報証明制度の代行も行っております。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です