相続の心の整理と遺産の整理

急であろうと、なかろうと、身近な人が亡くなる、というのは辛いものです。


誰かが亡くなれば、法律的には、相続が発生します。


手続きはしなければいけないけど、心がついていかない。


そんな時に専門家を頼るコツをご紹介します。

1.思いがあればあるほど、つらい相続手続き


故人の預貯金に関しては、お金そのものに対して感情的にこだわって解約したくない、などはほぼありませんが、不動産については、思い出があり、すぐには売りたくない、処分したくない、という思いを持つ方が多くいらっしゃいます。


お金は必要だけれども、預貯金の解約には、戸籍謄本を収集したりと、何かと事務的な手続きが必要です。


さらに、預貯金の解約以外にも、年金や保険の手続きといった亡くなった後に家族がしなければならない手続きはいろいろとあります。もちろん、支払など、急ぐものから先にやっていかなければならないのですが、そうなると、ゆっくりと故人を偲ぶ暇もなくなります。


葬儀が終わり、保険等の急ぎの手続きも終わって、一息つくと、改めて故人を思い出し、財産の整理が手に付かない、状態になってしまいます。特に、家などの思い入れが深いものについては、相続手続きは、ついつい後回しになってしまいがちです。

2.遺産の整理は、心の整理がついた後で


心の整理がつかないまま、あれもこれも一度にやってしまうと、心身共に疲れてしまいます。相続人が一人だけの場合であればそうでもありませんが、相続人が複数いる場合は、自分だけではないので、何かと気苦労も出てきます。万一、分け方で相続人同士がぎくしゃくし、相続争いに発展してしまったら、落ち込んだままの状態がさらにひどくなってしまいます。


どうしてもお金が必要、家を早く売って処分しなければいけない、などの特別の事情がない限りは、ある程度、心が落ち着いてから手続きを始めた方がいいでしょう。
相談で、親が亡くなったすぐ後は、気が動転して、訳も分からず印鑑を押してしまった、等々後悔するお話を聞いたことがあります。


どのくらいで心の整理ができるか、というのは人それぞれです。


1週間でできる方もいらっしゃれば、何年もかかる方もおられるでしょう。


遺産に関しては、死亡届のように7日以内に手続きしなければならない、というものはなく、預貯金に関しては、10年入出金なければ権利が消失すると言われていますので、それまでに手続きできれば、問題ないでしょう。また、不動産に関しては、現在においても何十年も相続登記されずに残されたものもあり、いつまでに、という期限は、現在のところ、設けられていません。


心の整理がついてから、ゆっくり相続手続きを始めても十分間に合うのですが、一つ注意点があります。


次の相続が発生するまでに手続きを済ませた方がよい、ということです。


例えば、相続人のうちの一人に高齢者がいる場合、相続手続きをする前に、高齢の相続人が亡くなってしまったら、手続きはややこしくなります。あるいは、その高齢の相続人が認知症になり、判断能力がなくなってしまったら、相続手続き自体が非常に困難になってきます。


遺産の整理は、焦ってする必要はないものですが、特別の事情がある場合は、注意が必要です。

3.専門家に任せることで気分的に楽になる


少し心の整理がつき、遺産の整理をしようかと思い始めたタイミングで、専門家を頼ることをおすすめします。


慣れない法律用語で、どういった戸籍を揃えて欲しいと言われても、それを理解するだけで大変。何が何だか分からない。そんな時は、行政書士などの専門家を頼ると、気分的にも楽になります。


もちろん、相続手続きには、本人しか取得できない資料や、本人が行かなければいけないケースなどありますが、それまでの問い合わせやいろんな書類の整理などを人に任せるだけでも気持ちは随分違います。


さらに、専門家であれば、スムーズに手続きを進めることができ、安心して任せることができます。

4.まとめ


大切な人が亡くなって悲しい時、無理に焦って相続手続きを進めるより、
時間がたち、心の整理がつき始めてから、遺産の整理にとりかかるのがよいでしょう。


遺産を残してくれた故人を偲び、少しでも気分的に楽になるように、専門家への依頼をおすすめします。

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