遺言は1年間でどれくらい書かれている?

民法が大きく改正されて、遺言に関する新たな制度も始まりました。
今、遺言が注目されています。
そこで、遺言を書く人が増えているのかどうか、調べてみました。

1.遺言を書く人は確実に増えている


遺言には主なものとして、二種類あります。


公証役場というところで、公証人に作成してもらう公正証書遺言


自分で手書きで書く自筆証書遺言


このうち、公正証書遺言については、はっきりとした公証役場の統計があります。
それがこちら。(日本公証人連合会のHPより)
平成21年 77,878件
平成22年 81,984件
平成23年 78,754件
平成24年 88,156件
平成25年 96,020件
平成26年 104,490件
平成27年 110,778件
平成28年 105,350件
平成29年 110,191件
平成30年 110,471件

ほぼ毎年増加しています。昨年は、全国で約11万件の遺言書が作成されています。


特に、公正証書遺言は、自筆の遺言に比べて、改ざんや廃棄、紛失の危険がなく、遺言を確実に実行したい場合に、作成されることが多いです。


生前の相続対策としては、かなり有効な遺言です。
それが、確実に増加している、ということは、生前に相続対策をしておこうという人が増加している、とも言えます。

2.使用される自筆証書遺言の件数


自分で書く自筆証書遺言は、手軽で書きやすい遺言ですが、亡くなった後、家庭裁判所で「検認の手続き」というものをしなければいけません。


検認の手続きをして、自筆証書遺言を開封し、日付、署名、捺印の漏れがなければ、その遺言が有効となります。


自分で書く遺言の統計、というのはないので、ここでは、自筆証書遺言が検認の手続きを受けた件数の統計を見てみましょう。


これは、裁判所で手続きを行った遺言のみの件数ですが、実際は、もっとたくさんあります。
自筆証書遺言の検認手続きの件数(裁判所司法統計HPより)
平成23年 15,113件
平成24年 16,014件
平成25年 16,708件
平成26年 16,843件
平成27年 16,888件
平成28年 17,205件
平成29年 17,394件
平成30年 17,487件


これも、確実に増加しています。検認で使われる、ということは、これ以上に自筆で遺言を書く人がいる、ということです。

3.公正証書遺言と自筆証書遺言を合わせると、遺言を書いている人は、実はたくさんいる


遺言、というと、お金持ちだけ、親族間トラブルがある人だけで、自分には関係ない、と思う方が多いかもしれません。でも、実際は、大金があるわけでも、親族間トラブルがあるわけでもないけれど、自分で分け方を決めたい、きちんと残しておきたい、そう思って書かれる方もおられます。


遺言というと大げさな感じがしますが、遺言を書く人が増えているこの時代、もっと気軽に遺言を書いてもいいのではないでしょうか。

4.まとめ


終活として注目されている遺言。書く人は、年々増加しています。


様々な事情から必要として書く人、自分の意思を伝えたいと思って書く人。


いろんな遺言があっていいんです。


遺言を書こうかどうしようか迷っている方、もっと気軽に遺言を書いてみてはいかがですか。

遺言作成サポートの詳細はこちらをご覧下さい。

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