相続に必要な戸籍謄本は、市役所に行かなくても取れる
相続手続きには必須の戸籍謄本。亡くなった人の出生から死亡までの戸籍や相続人の戸籍などが必要です。
でも、本籍地が遠方だったら?
そんな時に戸籍謄本を取る方法をご紹介します。
1.まずは、戸籍謄本の種類を知る
まず、戸籍謄本には3種類あります。
除籍(じょせき)、改正原戸籍(かいせいはらこせき)、現在戸籍。
除籍謄本とは、その戸籍簿に載っている全員が除籍された戸籍です。除籍とは、必ずしも死亡したわけではなく、例えば、結婚、養子縁組、あるいは新しい戸籍作成のためなどでその戸籍簿から削除されることです。亡くなった人の出生時の戸籍などは、たいてい除籍です。
改正原戸籍謄本は、法律の改正によって新しく作り替えられる前の状態の戸籍簿です。内容的には除籍謄本に近い感じです。戸籍は、これまで縦書き手書き、縦書き印字、横書き印字(←現在ここ)と書式が変更になっています。変更時に、新しい書式に作り替えるのですが、その際に、すでに除籍になっている人物を省いたりするので、作り替える前の戸籍も必要になってきます。
最後は、現在戸籍。これは現在生きている人の戸籍です。ただ、夫婦の戸籍で、一方が亡くなり除籍になっていたとしても、もう一方が健在であれば、それは現在戸籍となります。
2.戸籍謄本は、本籍地の市町村役場に請求する
戸籍謄本は、本籍地の市町村役場に請求すると取得することができます。
将来的には、全国どこからでも戸籍謄本を取得できるようにする動きもあるようですが、今現在は、本籍地の市町村役場でないと取得することはできません。
ただ、ここで誤解をされる方が多数おられます。
直接市町村役場に行かないと取れない。
そんなことはありません。
本籍地と住所地が同じかあるいは近ければ大丈夫ですが、遠方だとそうはいかないですね。
東京に住んでいて、実は、本籍地は鹿児島だ、北海道だ、となった場合、そう簡単に現地にいって取得する、というのはできません。
なので、現在では、
戸籍謄本の「郵送請求」
というのが、どこの市町村でもあります。
電話で問い合わせもできますが、便利になった世の中、今は、たいてい市町村のホームページに丁寧に郵送請求の仕方が掲載されています。さらに、郵送請求書もダウンロードできるようになっており、必要事項を記入し、手数料と身分証明などを同封して、郵送請求することができます。
本籍地が遠かったら、まずは、本籍地の市町村のホームページを検索してみましょう。
3.郵送請求する際のコツ
郵送請求をするには、請求書送付時に手数料を同封しておく必要があります。これは、どこの市町村役場でもほぼ同じです。
戸籍謄本の手数料は、全国同じです。
除籍・原戸籍 1通750円
現在戸籍 1通450円
請求したい戸籍謄本の料金を郵便小為替で購入して同封します。
郵便小為替とは、郵便局の貯金の窓口で購入できるものです。金額が決まっていて、その金額が書かれた金券のようなものです。750円、450円のものがあり、750円2枚、というふうに購入します。
ただし、1枚につき100円の手数料が取られます。
相続人が非常に多い案件などでは、一カ所でかなりの数の除籍謄本を取得するケースもあり、そういった場合は、郵便小為替1枚につき100円を払っていると手数料が高くなるため、郵便普通為替を利用してまとめた金額を為替にして支払ったりします。
普通為替にも手数料がかかるので、料金がかなり高い場合でないと小為替よりは安くなりません。かなり特殊な例にはなりますが、そういった大量に請求する場合は、支払方法については、念のため市町村に問い合わせをした方がよいでしょう。
郵送請求して、特に問題がなければ、返送されてきますが、請求した戸籍謄本が見当たらない、あるいは、何か間違いがあった、あるいは、料金不足、などで市町村役場の担当者から電話がかかってくることもあります。ですので、連絡先には、連絡が取れる番号を記入しておきましょう。
本籍地が遠方であれば、郵送であっても、それなりに時間はかかります。少しでも早く必要であれば、送付時と返送時の郵送を速達にしてみましょう。近くであれば、速達でもそうでなくてもあまり変わらない、ということがありますが、遠方なら、速達の効果は多少見込めます。
4.まとめ
相続で戸籍謄本を収集しなければならない、となった時に、慌てず、郵送請求をうまく利用しましょう。ネットの発達で、各市町村の郵送請求は簡単に調べられるようになっています。
それでも、戸籍謄本の収集が難しいと感じたら、ぜひ専門家にご相談下さい。