空き家は、どこに相談すればいい?

今年は台風や大雨などの自然災害が多くありました。今年だけでなく、今後もそうした災害は起こると予想されています。


親が亡くなり、誰も住まなくなった実家。そんな空き家が水に浸かってしまったら。
風で屋根が飛ばされたり、半壊したりしてしまったら。


これからはそんな心配も増えます。


そんな空き家の相談は、一体どこに行けばいいのでしょうか。

1.相談先を決める前に所有者の確認


まず、空き家の所有者は誰でしょうか。


親だけが住んでいたものの、施設に入ったりして空き家になっている場合は、親が所有者であるケースが多いです。しかし、田舎など、代々その家に住んでいる場合、親の名義ではなく、祖父あるいは祖母名義になっているケースも多々あります。


あるいは、親が亡くなり、相続として自分が受け継いだものの、名義変更など、何もしていない場合は、親の名義のままになっているケースがあります。


相続が発生した後、相続人である自分の所に固定資産税の納付書が届いているから、自分の名義になっているのかと思う方もいらっしゃいますが、納税と登記は、実は別物で、登記名義が祖父母名義のままであっても、その不動産を実質管理している相続人のところに固定資産税の納付書が届きます。


いずれにしても、所有者として登記されているのは、誰か、を確かめる必要があります。


登記名義を確かめるためには、法務局で登記事項証明書を取得することで確認出来ます。これは、空き家の番地さえ分かれば、誰でも取得することができます。しかも、最近は電子システムで全国つながっているため、例えば、遠方に空き家がある場合でも、近くの法務局で登記事項証明書を取得することができます。

登記事項証明書は、いわゆる登記簿謄本とよばれるもので、その土地や建物の種類や広さ、所有者や抵当権などの情報が書かれてあります。

空き家について調べるのであれば、建物だけでなく、建物の敷地となっている土地の登記事項証明書も取っておきましょう。

2.空き家の所有者が自分だったら


相続登記もされ、きちんと自分名義になっているのであれば、空き家をどうやって活用するか、というのが最大の課題となると思います。


空き家を売買したい、賃貸したいと思うのであれば、空き家近くの不動産屋さんに相談してみましょう。売買あるいは賃貸可能な物件であれば、不動産屋さんに買い主や借り主を探してもらうこともできます。


また、兵庫県三田市のように市が空き家バンクというものを作っていたら、そこへ登録して買い主あるいは借り主を探す、という手もあります。都市部から移住する人向けに立ち上げているサイトなどで宣伝してもらえ、また、市がやっている空き家バンクという安心感もあって、成約するケースもあるようです。


実際に媒介をするのは地元の宅建協会の会員である不動産屋さんがやることになるようですが、空き家バンクには登録条件もあり、安心感を得られるというのは大きいようです。


今は売買しないけど、とりあえずの管理だけ頼みたい、という場合は、シルバー人材センターなどが有料で空き家管理(草取り等々)をやってくれるサービスもあるため、そちらに相談する、という方法もあります。


このように、所有者自身が動く場合、その空き家に関しての契約が可能なため、主に空き家を活用するための相談先、となります。

3.空き家の所有者が親又は祖父母名義のままだったら


相続した空き家は、売ってお金にしたい。誰も住まないから、いらない。


そんな話をよく聞きます。


それならば、不動産屋さんや空き家バンクに相談に行くのかというと、その前に相談に行く所があります。


名義変更をするために行政書士または司法書士に相談する必要があります。

相続登記がされていなければ、基本的に売買契約や賃貸契約ができず、三田市では、空き家バンクにも登録できません。


不動産屋さんによっては、相続登記未了であっても、買い主を探してくれるかもしれませんが、せっかく買い主が見つかっても、相続登記をするので待って下さい、という状況になりかねず、時間がかかるため、買い主がそれならやめる、と言い出すかもしれません。

あるいは、相続登記をする過程で、遺産分割協議をしなければならないのですが、そこで、親族同士がもめてしまって、遺産分割調停にまで発展してしまったら、空き家を売る、どころではなくなってしまいます。


そのため、まずは、相続する人にきちんと名義を換えておく必要があります。


名義を換えるためには、空き家の名義人の相続関係を調査し、遺産分割協議書を作成し、相続人全員の署名捺印、印鑑証明書が必要です。

それらが揃ったら、法務局で相続登記をします。


相続人の調査、遺産分割協議書の作成については行政書士ができ、登記については司法書士ができます。行政書士は登記はできませんが、つながりのある司法書士がいたりしますので、紹介してもらえます。


知り合い、あるいは知り合いの紹介で行政書士、司法書士がいたら、そちらへ相談しましょう。

4.まとめ


放っておくと「負動産」になると言われる空き家。


相続手続きをされずに世代が下れば下るほど、手続きは大変になり、お金もかかってきます。

所有者名義をきちんと整理し、空き家を活用していきましょう。

相続人の調査から遺産分割協議書の作成、司法書士の連携、とワンストップサービスを行っております。三田市の空き家相談員の名簿にも入っておりますので、お気軽にご相談下さい。

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