空き家を活用する前にするべきこと

最近、空き家が問題となっています。


親から相続して、あるいは、夫から相続して、空き家になったままの家はありませんか。


そんな空き家を有効活用するために、しておかなければならないことをピックアップします。

1.まずは登記名義の確認


空き家になる理由は様々です。高齢になり、介護施設に入居したり、あるいは子供と一緒に同居するようになったなどから、空き家になり、その後、所有者であった親や夫が亡くなったりして、そのままの状態にしているケースが多々あります。

まずは、現在の空き家の登記名義人が誰なのかを確認することが必要です。


親から相続した場合は、注意が必要です。特に、祖父母の代からその家に住んでいる場合は、その空き家の登記名義が祖父母のままになっているケースがあります。祖父母名義のままであれば、通常の親子間の相続よりも煩雑な手続きが必要になってきます。


また、空き家が、共同名義になっていないか、抵当権がついていないか、といった確認もしておく必要があります。


登記名義を確認するためには、近くの法務局へ行って、登記事項全部証明書を取得します。これは、地番が分かれば、1通600円で誰でも取得できるものです。


ただし、ここで注意が必要なのは、空き家の住所と登記上の地番が違うことがあり、必ずしも空き家の住所が地番だとは限らない点です。


地番の調べ方としては、法務局においてあるブルーマップで調べたり、固定資産税を支払っている場合、納付通知書に地番が記載されていますので、納付書があれば、調べることができます。

2.相続人の確認と遺産分割協議書


最近では、各自治体で、空き家の活用を推進するために、市町村が空き家バンクをつくっているところがあります。私の事務所がある兵庫県三田市でも、空き家バンクがあり、売りたい、賃貸したい空き家を登録し、買いたい、借りたい人とマッチングさせるものです。


この空き家バンクは、空き家の名義が、売りたい人あるいは貸したい人になっていなければ登録することはできません。おそらく、他の自治体でも同じことだと思います。


なぜかいうと、売買や賃貸の契約をするためには、所有者をはっきりさせておく必要があるからです。相続登記が終わっておらず、新しい所有者が登記されていなければ、売買、賃貸契約ができないので、そういった物件を登録することができないのです。


そこで、相続登記をするためには、一番最初に登記名義人を確認した後、登記名義人の相続人の確認と遺産分割協議書の作成が必要です。


通常の相続の手続きと同様で、亡くなった登記名義人の出生から死亡までの戸籍謄本を収集し、誰が相続人なのかを確かめる必要があります。


親子間の相続であれば、比較的自分でとりやすいですが、祖父母の代から、あるいは兄弟姉妹の相続関係をたどらなければなないケースでは、慣れていないと相当な労力がかかります。また、親子間の相続であっても、本籍地が遠方であったり、転籍を繰り返している場合は、戸籍の収集だけでも大変な作業になります。その場合は、行政書士などの専門家に依頼された方がよいでしょう。


遺産分割協議書は、誰が空き家を相続するのか、ということを書いた書面で、相続人全員の相続人全員の署名、実印の捺印、印鑑証明書を添付する必要があります。


さらに、遺産分割協議書は、相続登記申請の際に必要ですので、不備があると、登記ができない場合があります。そのため、相続登記が可能な内容、書式にしておかなければいけません。


最近では、インターネット上に遺産分割協議書の雛形が多数ありますが、それぞれにあったものに変える必要があり、難しいと思ったら、専門家に依頼されることをおすすめします。


特に、祖父母名義のままであった場合や、夫婦に子供がおらず、夫の兄弟と妻が相続人になるケースなど、相続関係がややこしくなる場合には、専門家に依頼した方がよいでしょう。


あるいは、空き家の処分をめぐって、相続人同士が対立してしまった場合には、弁護士に相談しましょう。

3.相続登記をする


相続人を確認し、遺産分割協議書を作成したら、相続登記を行います。相続登記が完了して登記名義人が所有者になったら、ようやく空き家バンクへ登録することができます。また、買い手や借り手が現れた時も、所有者がはっきりしているため、スムーズに契約をすることができます。


登記も法務局へ行って自分で手続きすることも可能ですが、抵当権がついていたり、難しいと感じたら司法書士へ依頼されることをおすすめします。

4.まとめ


せっかく相続した不動産を「負動産」にしてしまわないためには、きちんと相続手続きをしておく必要があります。


古民家カフェなど、今、空き家を有効活用しようという動きがあります。


空き家の活用の前に、ぜひ、相続手続きをしておくことをおすすめします。

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